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JR恵比寿駅の発車のチャイムにもなった「第三の男〜ハリー・ライムのテーマ」。エビスビールのテレビコマーシャルでおなじみですね。コマーシャルソングにはいろんなバージョンがありますが、2006年1月現在は、カヒミ・カリィというボーカリストのつぶやくような歌声でこのテーマが流れています。(http://www.yebisubar.jp/gallery/index.htmlで聴くことができます)。ず〜っと「何かの映画の曲だと思うけど、何だったっけ?」と思っていましたが、バイオリニスト、ラカトシュのベストアルバムを聴いたところ、オーソン・ウェルズ主演「第三の男」の映画だとわかりました! えぇっ?映画の中のどこで流れてた?とビックリ!――ウィーンの観覧車に気を取られて、音楽の記憶がまったくなかったのです。
「第三の男」は、1952年公開のイギリス映画。「第二次大戦後のウィーン。親友のハリー・ライムの招きでこの街を訪れた作家のマーチンは、到着早々、ハリーが死亡したことを知らされる。ハリーの死には三人の男が立ち会っていたと言うのだが、その三番目の男の正体を追って、マーチンは独自の調査を開始する。そして真相は・・・・」というモノクロのサスペンス映画です。DVDを借りてきて観てみると、オープニングから「ハリー・ライムのテーマ」が流れているではないですか! 民族楽器ツィターの弦が画面いっぱいに映し出され音楽を奏でるのです。そして、ハリーが登場するたび流れていました。
ツィターという楽器は「日本の琴に似た形状をしているが、長さは和琴より短い。約30本の伴奏用弦と5、6本の旋律用のフレット付き弦が張られている。これを親指につけたプレクトラムと呼ばれる爪を使って弾く」のだそうです。ハープとギターの間のような存在?「第三の男」により世界的に知られるようになったとか。ラカトシュはジプシーの血を受け継ぐギターで「ハリー・ライムのテーマ」を奏でます。思わずビールを飲みたくなりますよ。
なぜラカトシュかというと、昨年の夏ブダペスト(ハンガリー)に旅行することになり、ハンガリー大平原を走り回るチコーシュ(放牧している家畜を追う馬に乗る人)の音楽を聴きたくて、ジプシーの末裔、「バイオリンの怪人」と呼ばれるラカトシュのアルバムを選んだのです。訪ねたのはちょうど毎年夏に開かれるお祭りの最中。「ドナウの真珠」と呼ばれる王宮の丘では、民族舞踊が繰り広げられ、たくさんの「地方の名産品」が実演販売されていました。王宮の横の広場では、バイオリン弾きが「チャールダーシュ」を奏でていて、大平原を走る馬たちを連想させてくれました。ハンガリーのバイオリンは「情熱的」に弾くのが特徴です。
これまでラカトシュは知らなかったのですが、ときどき来日されているようですよ。2004年11月の、東京オペラシティでのコンサート紹介ページから引用しますね。
「1965年、ハンガリーのジプシー・ヴァイオリンの名門である、ラカトシュ家に生まれる。父親や叔父にあたる高名な奏者でレコードも数多く出している、シャーンドル・ラカトシュに学んで早くから腕を上げた彼は、親族の楽団に加わるかたわら、ブダペスト音楽院でクラシカルな技法とレパートリーも勉強し、1984年に卒業。1997年5月、エリザベート王妃国際コンクールがブリュッセルで開催された際、審査員として集まったユーディ・メニューイン、イダ・ヘンデル、ピエール・アモワイヤルといった大家クラスのヴァイオリニストたちは、評判を知ってロビー・ラカトシュを聴きに出かけ、魅了されて賛美の言葉を惜しまなかったという。」写真を見ると「まさに怪人!」と思う風貌ですよ。
一方現在のエビスビールのコマーシャルのボーカル、カヒミ・カリィさんは、何年か前アニメ「ちびまる子ちゃん」のオープニングを歌った人です。「あの声は誰だ?」と話題になったのを覚えています。ボサノバ調のハスキーボイス、懐かしいです。ラカトシュのギターでも、カヒミ・カリィのボーカルでも、音楽ひとつでビールが飲みたくなっちゃうのですから不思議ですね!今夜は奮発してエビスビールにしよっかな?!(恵)
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