「男の隠れ処」――居酒屋 蔵
手造りの日本酒「本郷 壱岐坂」は、いつもしぼりたて
様々なチーズとワインのハーモニーを堪能しよう!
いつか一番好きな人と行きたい
自分に取り戻した日々のために
木札で料理や飲み物を注文
こんな場所にあることが奇跡である。
日本三大酒場のひとつで究極の酒「神亀」を味わう。
志受け継ぐ「食にこだわる」店。
学者さんひいきの店? 京都先斗町の「ますだ」は京都の人から教えられたわけではない。実は東京の会社の人がどうしても行きたい店があるといって、しぶしぶついていったのが最初である。初めて行ったとき、2代目の女将がまだ店にでていて、どかんと背中を叩かれるのである。これにはびっくりしたが、なかなか感じのいいお店であるので気にいった。 女将から聞くと、民法学者の末川先生もよくこられたそうである。そうか、その当時は末川先生が勤務されていた立命館大学は広小路にあったのだ。ここからだと市電に乗ると3駅ぐらいだったのだろう。同じく、その当時立命館大学にいた奈良本辰也、梅原猛の面々がこの店に通っていたこともうなずける。
さて、ここではお酒は賀茂鶴しか置いていない。樽の中で冷やした冷酒である。樽酒ではないと思う。賀茂鶴は広島の西条に醸造蔵がある。昔はこれで分かったが、現在は、東広島市西条本町というのが正確ないいかたである。京料理と賀茂鶴がマッチすることを広めたのは「ますだ」の初代の女将だそうだ。いまは三代目の女将がとりしきって、2代目はお店にはでてきていない。聞くと健在なようである。いろいろの店で京料理と賀茂鶴の組み合わせが定着しているようだ。賀茂鶴の冷酒は実にうまい、冷酒の透明感がなんともいえない。 2代目の女将から逸話は聞かなかったので記述が最後になったが、ますだは文人にもよく利用されたようである。司馬遼太郎が書きなぐった屏風が1階の奥の座敷にさりげなく置いてあるが、これを見るとだれがそこにいたかがわかる。いまは、自宅からこの店に行くには2時間かかるが、京都を思うとき行きたくなる店である。 場所は、四条と三条の間の1/3ぐらい四条寄りのところである。 (白)